プロフィール
    カネコ ヨシマサ
    金子 宜正
    KANEKO Yoshimasa
    ピックアップ機能とは:
     ピックアップ指定した研究者をリスト表示できる機能です。
     ピックアップ対象として指定するためには、
      ・検索結果の「ピックアップ」チェックをオンにする
      ・研究者詳細の「ピックアップに追加」をオンにする
     のいずれかの操作を行ってください。
    所属部局
    人文社会科学系
    教育学部門
    所属学部・学科・コース等
    教育学部
    職名 教授
    専門分野
    美術教育学
    主な研究テーマ・活動
     小・中・高等学校における美術教育の理論と実践に関する研究については、学習指導要領及び評価規準の研究を通して、授業構成の方法や指導上のポイントなど、より具体的な教育実践に関する研究を行っている。
     美術教育については、国際的な視点からも理論と実践の両面から研究を行っている。とりわけ、20世紀初頭のドイツにあった総合芸術学校、バウハウスにおける美術教育の理念と方法について研究を行っている。バウハウスは、美学・美術史・デザイン・社会学ほか様々な分野から研究が行われているが、特に、ものづくりの原点に立ち戻り、時代を超えた画期的な美術教育を行ったことで注目を集めている。バウハウスの教育は、全世界の美術教育及びデザイン教育に多大な影響を与えた。バウハウスでは、学生の才能や創造性を引き出し、芸術的感性と人間的教養を高めるために、独自の教育方法が行われていた。特に、ヨハネス・イッテンがはじめた独創的な予備課程は有名である。私は、バウハウスの教育理念及び教育方法について研究するとともに、バウハウス退職後にイッテンがベルリンに設立した芸術学校イッテン・シューレにおける教育内容について研究を進め、1930年代にイッテン・シューレで竹久夢二や水越松南が行った墨絵の授業内容、及び自由学園からの留学生がイッテンから学んだ内容とそれが日本の構成教育運動に与えた影響について明らかにした。イッテンの芸術教育に与えた日本の伝統文化の影響は顕著であり、バウハウスの美術教育にみられる特性と日本の伝統文化にみられる思考との接点についても研究を進めている。人間を中心にした視点に基づき、知性と感性のバランスをはかりながら、学生の才能を引き出し、創造力を発展させていくバウハウスの教育の特質を明らかにしていくことは、我が国における今後の教育のあり方を考える上で重要である。私は、バウハウスやイッテン・シューレの教育理念や教育方法について、これまで紹介されることのなかった手書きの資料を含めて、当時の資料や文献等をもとに研究を行うとともに、我が国の伝統文化との接点に着目し、今日の我が国に活かすべき美術教育の視点や実践方法について探究している。
    研究についてのPR
     美術教育を単なる方法論として捉えるのではなく、ものづくりの原点に立ち戻り、人間の潜在的な能力や創造性を伸ばしながら、他教科や様々な分野と関連させ、総合的な人間形成を行うために活かしていくには、どのように美術教育を発展させたらよいかを研究の中心に据えている。美術教育は、感性を高め、心豊かな人間形成を目指す上で極めて重要な教科の一つであり、また、美術教育は、文化的視点を与え、国際性を育むとともに、児童生徒の発想力・構想力を高め、将来様々に活かすことのできる能力を発展させることができると考えている。
     1996年にベルリンのバウハウス資料館(Bauhaus-Archiv)において調査研究を行った。この調査により、書籍では知ることのできない当時の手書き資料(日記・書簡・草稿等)やオリジナル作品を調査し、更に現地の研究者から多くの聞き取り調査を行うことができた。これら一連の調査から、当時のバウハウスの教師の思索を知ることができた。併せてドイツで学校視察(ギムナジウム・ゲザムトシューレ)を行い、ベルリンにおける美術教育の現状について研究を行った。この視察により、ドイツの美術教育の現状の一端を知るとともに、現在どのようにバウハウスの教育が学校教育に活かされているかについて報告することができた。
     イッテンの研究では、文献調査だけではなく、イッテン夫人をはじめイッテンの御遺族や日本人留学生本人にも会い、研究を深めることができた。
     また、バウハウスに関連するイッテン・シューレと日本人とのかかわりについては、国内は勿論海外ではほとんど知られていなかったため、私の研究については国内外からの問い合せも多い。NHK新日曜美術館の担当者からは、NHKが欧州で行った取材の際に海外の研究者が私の研究を紹介したことから番組制作のため論文を資料提供してほしいと依頼され、ベルリンのイッテン・シューレにおける竹久夢二の日本画授業についてまとめた拙稿を資料としてNHKに提供した。これは2002年7月21日に「NHK新日曜美術館 独逸(ドイツ)、夢のかなたへ・知られざる竹久夢二」として放映された。また、2003年にアジア・デザイン国際会議において、ヨハネス・イッテンに関する研究発表(英語)を行ったところ、カナダ・韓国等海外の研究者から関心を寄せられ、問い合わせが多かった。ヨハネス・イッテンに関する拙稿は、以下の海外文献において紹介された。
      ・Johannes Itten und die Moderne, Hatje Cantz Verlag, Deutschland, 2003.
      ・Johannes Itten Alles in Einem-Alles im Sein, Hatje Cantz Verlag, Deutschland, 2003.
      ・Johannes Itten Wege zur Kunst, Johannes-Itten-Stiftung, Hatje Cantz Verlag, 2002.
      ・Avantgarde im Dialog, Bauhaus DaDa und Expressionismus in Japan, Bauhaus-Archiv, Berlin, 2000.
     ヨハネス・イッテンの芸術教育に関しては、今日再評価されており、ドイツ・スイスから巡回する大規模な展覧会が開かれた。この展覧会は日本にも巡回し、2003-2004年に日本で初めてイッテンの展覧会「ヨハネス・イッテン 造形芸術への道」が開催された。同展覧会において、開催美術館である宇都宮美術館からの依頼により展覧会の関連企画でイッテンの美術教育に関する研究発表を行った(同展は、京都国立近代美術館・東京国立近代美術館を巡回)。
    社会人・生徒を対象として可能な講演・授業
    ・現代の図画工作および美術教育について
    ・現代のドイツで行われている美術教育の現状について-学校視察をもとに-
    ・バウハウスの芸術教育活動に関する連続講演会
    ・ヨハネス・イッテンの芸術教育と日本
    ・美術鑑賞入門
    ・近代デザイン史講座
    基本事項
    学位
    学士(芸術学) (筑波大学)
    教育学修士 (上越教育大学)
    職歴
    2023年4月 - 高知大学 (名誉教授)
    2008年4月 - 高知大学 教育研究部人文社会科学系教育学部門 教授
    2021年4月 - 2023年3月 高知大学 教育学部附属中学校 校長(兼任)[2期]
    2019年4月 - 2021年3月 高知大学 教育学部附属中学校 校長(兼任)[1期]
    2018年10月 - 2018年10月 ニュルンベルク大学(FAU:Friedrich-Alexander Universitaet Erlangen-Nuernberg)(ドイツ) 客員教授
    すべて表示 5件表示
    研究活動
    著書
    【研究者総覧システム移行のため、現在、以下準備中】
    /
    / 2023年3月
    Eva Eyquem im Kontext der Bauhaus-Paedagogik Tagungsband zum Symposium 2018, Schriften und Interviews [FAU University Press Verlagsprogramm Reihen: FAU Kunst und Bildung Band 7] (Reihen Hrsg.: Susanne Liebmann-Wurme) ( Band 7 Hrsg.: Sabine Richter)
    [分担執筆]担当範囲:Yoshimasa Kaneko, Die Kunstpaedagogik Johannes Ittens an der Itten-Schule und deren Rezeption in Japan, pp.40-53.
    FAU University Press [ ニュルンベルク大学 (FAU: Friedrich-Alexander Universitaet Erlangen-Nuernberg) 出版 ] (ドイツ) 2021年6月 (ISBN: 978-3-96147-392-2)
    増訂版 金沢湯涌夢二館収蔵品総合目録 (編集:公益財団法人 金沢文化振興財団 金沢湯涌夢二館)
    [分担執筆]担当範囲:金子宜正「(担当箇所 「竹久夢二とベルリンのイッテン・シューレ ―日本画(墨絵)を介した東西の文化交流―」pp.203-206.
    発行:公益財団法人 金沢文化振興財団 金沢湯涌夢二館 印刷:能登印刷 2021年3月 (ISBN: 978-4-89010-783-4)
    bauhaus imaginista Die globale Rezeption bis heute ( Hrsg.: Marion von Osten und Grant Watson)
    [分担執筆]担当範囲:Yoshimasa Kaneko, Zur Rezeption von Johannes Ittens Kunstunterricht in Japan, pp.66-67, p.292, p.301.
    Scheidegger&Spiess AG, Zuerich, Schweiz (スイス) 2019年2月 (ISBN: ISBN:978-3-85881-623-8)
    論文
    【研究者総覧システム移行中のため、現在、以下準備中】
    /
    / / /-/ 2023年3月 研究論文(学術雑誌) その他
    学会発表
    【研究者総覧システム移行中のため、現在、以下準備中】
    /
    2023.3.31 - 2023.3.31